**フット・イン・ザ・ドア(Foot-in-the-Door)**とは、心理学における説得テクニックの一つで、まず小さな要求を受け入れさせ、その後に本来の大きな要求を受け入れてもらう方法です。最初に簡単に応じられる小さなお願いをすることで、相手に「一貫性を保ちたい」という心理が働き、次に提示されるより大きな要求にも応じやすくなる効果を持ちます。
フット・イン・ザ・ドアの仕組み
この効果は、人々が自分の行動を一貫したものにしたいという心理的傾向に基づいています。最初に小さな要求に応じると、自己認識がそれに合わせて変化し、「私はこの人(もしくはこの目的)に協力している」という感覚が強まります。その結果、次に少し大きなお願いをされたとき、「前も応じたのだから、今も応じるべきだ」と考え、要求を受け入れやすくなります。
フット・イン・ザ・ドアの具体例
- セールス: ドア・トゥ・ドア販売で、まず「アンケートに答えてください」といった簡単なお願いをし、その後に商品の購入を勧める。
- 募金活動: 初めに少額の募金をお願いし、それが受け入れられた後に、さらに大きな寄付をお願いする。
- 人間関係: 恋愛や友情においても、最初は小さな手伝いやお願いをすることで、徐々に大きなことを頼みやすくすることがあります。
フット・イン・ザ・ドアの効果
- 一貫性の原理: 人は、自分の行動や態度が一貫していると感じたいという心理的な傾向があります。最初に小さな要求を受け入れると、その後の行動も一貫させようとするため、大きな要求にも応じやすくなります。
- 自己認識の変化: 小さな要求に応じることで、相手は「自分はこの人を助ける人だ」と感じ、その自己認識が次の大きな要求にも影響を与えます。
フット・イン・ザ・ドアは、日常生活やビジネス、恋愛などで多く活用されている説得手法です。